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絞り染めについて | 藍、草木染め 工房 香草庵記事一覧

 

絞りがとても好き。
似たようなものはできても・・・
二度と同じものとはならず、
世界でたった一つのオリジナル。
それに・・・
あのボカシは何ともいえぬ温もりが。


昔から寝装具で体を飾り、衣類には様々な染色を施してきました。
中には病気や魔除け、害虫から身を守る意味もあったようですし、美しく装うことに楽しみを見出したのかもしれません。

絞り染めは、後染めの技法の一つで、布を縫ったり、たたんだり、ひだを取ったり、糸を巻いたり、板で挟んだりなどをして防染し、それにより模様を表現します。
絞ることによって布の表裏が同時に防染でき、一度に白抜きすることができるのです。

技法は多くあり、布のくくり方、縫い方、ひだの取り方などにより模様を表現しますが、一つの模様表現につき一つの技法があるといっても過言ではなく、同じデザインにしても似たものにはなりますが全く同じものとはなりません。
昔の絞り屋さんは、常に新たな技法を研究し、試みており、江戸時代からは100種くらいの技法が考案されてきました。

現在においても、伝統的な技法を継承しつつも創作絞りに余念のない人もおり、産地ばかりではなく全国各地で活発になりつつありますが、まだまだ継承者が少ないのが実情です。

絞り独特の凸凹ができることが、染めの特有の風合いとなっていますが、技法によっては絞った跡が残らないものもあります。
絞り染めというとほとんど藍染めすることが多いですが、これを多色染めの浸し染めにする場合は大変な手間が掛かります。

図柄にはどうしても制約がありますが、模様を点や線で表現する柔らかさは何とも言えず、藍と布との相性と和みが調和を感じます。
構図やデザインを考えて下書きすることもありますが、縫うのはほとんど下絵なし手の感覚だけです。
時々縫い目が不揃いになることもありますが、これも手作業ならではの温もりかも知れません。


絞りの技法は、地方により呼び方が違うものもあり、正確な数字は定かではありませんが、200種近くあるようです。

夾纈系のタタミ絞りや板締め絞り、括り絞り系の巻き絞りには、棒巻き絞りの嵐、白影などや手綱絞りの竜巻、山道、筋、柳、みどり等があり、目結いには、三浦絞りの石垣、筋三浦、横、やたら三浦等と鹿の子の手鹿の子、突き出し、ひっかけ等があり、纐纈には、蜘蛛絞りや巻上げ絞りなど、また、縫い絞りですが、平縫いの杢目、唐松等や折縫いの白影や合わせ縫い等があります。


自分で関心のあるものから始めてもよいのですが、縫うことが上手くなると巻くのも上手くなり、巻くのが上手くなると鹿の子も上手くなると言われていますので、なるべく縫う絞りからはじめた方が良いと思います。
どんな目が粗くても一生懸命に縫って防染し、染め上げた布は温もりがあるでしょう。
それに、運針が苦手という人も、縫っているうち知らず知らずに上手くなってくるから不思議ですね。
習うより慣れろかもしれません。



縫い絞りが好き

私は、運針が苦手だったのよね。でもなぜか好きになっちゃって(笑)タダ、無心に縫うだけ。これが案外ストレス発散になるみたい。何しろ何も考えずに、タダひたすら縫...