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藍の生葉染めについて

 

藍の生葉染めは、どの種類の藍でも染めることができます。
生葉で染める時は、前日が晴れで当日も晴れの方がよいです。
基材であるシルクの糸や布は、精錬済みのものでもモノゲンなどで洗い、よくすすぎ軽く水を切っておきます。

※晴天の日に短時間で乾燥しないと、くすんだ色合いにあるので注意してください。
なるべく風通しのよい日陰に干します。
発色には、風と良質の水が何よりで、一発勝負の手早さが基本です。
後日染め重ねると、かえって発色が悪くなる場合があるので注意してください。



生葉染の手順

7月から9月にかけての午前中に、藍草を刈り取り、茎と葉を分けます。
1kgの藍草から取れる葉は、約半分以下になります。
被染物に対して生葉は、10倍量(なければ、2から4倍量くらいでもよい)くらいを用意した方がよい。

茎は、生葉染めには使うことはできませんが、煮出して草木染の材料としてもよいですし、挿し木をしてもよいでしょう。
すり鉢にいれ、擂り潰して水を加え、青汁を取ります。
ミキサーの場合は、水を半分くらい入れ、葉だけを摘み取って加えます。
あまり葉が多くて水が少ないとミキサーが回転しづらくなります。
これを繰り返して必要量を作ります。

その青汁を木綿袋に入れて漉し、染め液を作ります。
キッチン用ネットを2枚重ねて利用しても良いでしょう。

洗っておいた被染物を染め液に浸してよく操って染めます。
被染物にもよりますが、染め液を作ってから、染め上げるまでの時間は30分以内とします。
時間が長引くと、だんだん発色が悪くなり、灰色がかったような色合いになってきます。
媒染なしで、水浅葱色から青色になりますが、染め重ねると少し黒味の青になりやすいです。

最後に、過酸化水素水の0.5%液に浸してから水洗いし、乾燥させます。
または、米酢や酢酸を少量入れた水に5分くらい浸した後、よく水洗いをして軽く水を切って干します。

もし何もなければよく水洗いをし、軽く水を切って風通しのよい日陰で干すだけでもよいです。



ミキサーもすり鉢もない場合の染め手順

まず、葉の半分量をなるべく細かく手でちぎる。
これに水を加えサラサラとかき混ぜ、5分ほどたったら布で漉します。(1液)
この中へ被染物を入れてよく操ります。

この間に漉し残った葉をさらに手で細かくちぎるようにし、水を加えかき混ぜ、5分ほどたったら漉します。(2液)
最初の1液に2液を加え、さらに染めます。

漉し残った葉に残りの葉の半分量を細かく手でちぎって加え、さらに手でもみだし、水を加え、5分ほどしたら漉し(3液)これを1液と2液の混合した液の中に加えます。

さらに被染物をよく操り染めます。

最初に葉をちぎってから染め上げるまでの工程は、30分くらいで終わるように手早くします。
その後の工程は、前述と同じです。

※綿のTシャツなども染めることはできます。
絹染めと同じような手順で染めると、薄青磁色に染まります。(麻も同じです。)
水色に染めたい場合は、ハイドロとソーダ灰を加えます。
いずれにしても、葉の量は多めにしたほうがよいでしょう。



炭酸カリウムとハイドロ(サルファイト)コンクを利用する場合

生葉染めの手順で青汁を作ってから、その藍の染め液の中に、炭酸カリウム小さじ1杯を箸などで静かにかき混ぜながら加えます。
だんだん、その染め液が黒っぽくなってきます。

その後、ハイドロコンク小さじ1杯を、同じく箸で静かにかき混ぜながら少しずつ加えます。

20〜30分ほどすると・・・
その染め液が、透明感のある緑色に変化します。

そうしたら、その液の中に綿のTシャッツなどを入れて染めます。
1回目に染める時間は長くてもよいですが、もっと濃い色に染めたい場合は、液から引き上げて、空気酸化させてから、2回目、3回目と染め重ねていきます。

そのときの時間は短めにしてください。
せっかく染まった色素が、染め液の中へ流れ出てしまいます。

仕上げは、よく水洗いしてください。
助剤は、染色材料店にて販売されていますが、ほんの少ししか利用しないため、少人数にて染める場合でも助剤はほとんど残ります。

色も少し濃い目に染まりますし、お天気もそれほど気にしなくてもいのですが、その助剤の利用方法と管理なども考慮に入れて購入なさったほうが良いでしょう。
なければなくても藍の生葉染めは染まりますので、ご自身の判断でご利用してくださいね。




 

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