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綿・麻の染め方について

 
綿の糸や布が紡績であっても手紡ぎであっても、染色に先立って精錬します。
漂白してあるものの多くの場合は蛍光剤を使用していることがあるので、未晒しのものを用いて精錬したほうがよいでしょう。
蛍光剤を使用していない時でも、漂白したものの場合は、湯で1時間くらい煮てから、よく水洗いした上で染色した方がよいです。


綿は絹に比べると極端に染まりが悪いので、染める染め材によりタンニン下地した上で染めるか、
薄い色を除いてすべて豆汁下地をした上で染めます。
こうすることによって、絹にほとんど近い色に染められるようになりましたが、
それでもその色相は絹の場合と違うことの方がとても多いです。



手順
1.綿を精錬する。
中性洗剤(綿の重量の2%)を用いて1時間くらい煮る。
その後よく水で濯ぎ洗いをし、日に干して乾かす。
精錬したものは長期間置くと水を吸いにくくなるので、なるべく染色する前に精錬した方がよい。

2.した処理をする。 タンニン処理するか、豆汁処理する。

3.植物を煮出す。 生の植物の場合は被染物の重量の100〜500%、
ドライの場合は50〜200%をできるだけ細かく切り、すぐに湯に入れ、30〜60分煮る。
ろ過布で液を絞り、絞りかすに湯を加えて、同様にして2回目の液をとり、
1回目の液と混ぜて染め液とする。

4.染色する。 50℃くらいの染料液に綿を浸け、ムラにならないようによく動かしながら染めます。
80〜90度くらいで30分間染めます。 染料残液は残しておく。
その後軽く水洗いします。

5.媒染する。 媒染液を作り、その中に綿を浸け、よく動かしながら室温で30分間媒染する。
クロムの場合は、60〜80℃で媒染する。
その後、水を変えながら、よく濯ぎ洗いします。
媒染残液は残しておく。

6.あと染めする 4で残しておいた染料残液を火にかけ、同様に染める。

7.仕上げをする。 よく水洗い、あるいは中性洗剤でよく洗いその後よく水で濯いでからを乾燥させる。
濃い色にした場合は、4、5を繰り返すか日を改めて3から同様にする。
綿の場合は吸収が遅いので、絹と比べて染め液に浸しておく時間を長くし、できれば一晩浸して置くようにするとよい。 
それでも色素などの吸収率はとてもよくないので、同じ染液を2〜3回使用して染め重ねた方がよいですし、
媒染剤の量も絹と比べて多めに使用したほうがよいです。

麻の場合木綿と同様の手順で染められます。
また、染め材によっては、下地をしないほうがよいものもありますし、薄地の場合もやはり豆汁下地などはしません。

 

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