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毛の染め方について

 
羊毛は絹と同じ動物繊維ですが毛はフェルト化しやすいので、染色中は糸の時でも原毛のときでも動かさないようにし長時間煮る。
原毛は、ムラに染まっても後でカーディングするのでごまかせるが、糸の場合は動かさずに平均に中まで染めるのは大変です。
多くて1kg,初めての場合は、500gぐらいまでで染めると上手くいきます。
キッチンで小さな鍋やボールでする場合は、100gくらいが良いでしょう。
先媒染した方がよいものがほとんどです。


羊毛の精錬法
原毛のゴミは、よく取っておく。
原毛の重量の5%の油性石鹸と5%の炭酸ソーダを50〜60℃の湯に入れて、撹拌し、解けてから原毛を浸し、1時間ほど煮る。
引き上げて、水をきってから、アンモニア水(水量の2%)を入れたぬるま湯に15分浸し,その後、湯を何回も取り替えて洗い,絞らずに水をきり陰干しします。

生成り糸の手入れの場合
買った糸は、ぬるま湯の中に中性洗剤を入れた液の中で洗い、湯でよくすすぎます。

 


先媒染
アルミ媒染は、糸の重量の5〜10%の酢酸アルミと酒石英(酒石英カリウムナトリウム)を2%加えた液に糸や原毛を浸して、蓋をし、沸騰しそうになったら、火を弱めて約40分くらい煮た後、液に浸したまま放冷します。
その後、軽く水を絞り、水を切った糸をすぐ染めるか、または乾かして、後で染めてもよい。
酒石英は、なければ入れなくても大丈夫。(色を冴えさせるためとされているが、もともと、葡萄酒の酒樽に付着した物質だそうです。)

 


基本的な染め方


先媒染(カリミョウバン、錫、クロム)
精錬、あるいは下洗い → 媒染 → ぬるま湯洗い → 染色 → 脱水、陰干し
後媒染(鉄、銅)
精錬、あるいは下洗い → 染色 → ぬるま湯洗い → 媒染 → 染色 → 脱水、陰干し

染め液は、絹と同じように取ります。
   (染め材は、絹の場合の半分くらいの量でよく発色します。)

染色するには、染め液を熱して40〜50℃くらいになったら、先媒染した糸を浸し、静かにそっと糸をくくるか、蓋をして沸騰する前に火を弱めて、40分間煮染めした後、その液に浸したまま液の温度が常温に下がるまで待つか、自分の好みで早く引き上げてもよい。
しかし、煮染めは最低30分はしたほうがいいです。
糸の濃淡を出すには、染め材の量、媒染剤の種類と割合、煮染めの時間を変えて、工夫するとよい。

そのまま水を切り、湯洗いをして、柔軟剤を溶いた液に浸し、水を切り乾かします。

毛は、ほとんど糸を先媒染しておけば、いつでも染め材が手に入った時に染められます。

 



注意すること
毛は、急激な温度変化をさせるとフェルト化してしまうので、染め始める時は40〜60℃の染め液の中に、あらかじめ同じ温度の湯の中に糸を浸しておいたものを染め液の中に入れるようにしたほうがよい。
糸をくくりながら、染めた方がよく仲間で染まるが、静かに位置を変える程度にくくればフェルト化しない。
最後まで丁寧に扱うことが大切ですが、あまり手をかけないことがポイントです。







 

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